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初級転職者講座【商社編】その6 書式の戦い

初級転職者講座【商社編】その6 書式の戦い

その5にて、予め売り主がモデル販売契約書(表面約款と裏面約款)を作成しておくことを提案しました。今号では、その続きをお話ししましよう。通常、表面約款が合意できたら、予め作成しておいた裏面約款をこれに添付して、相手方(今回は買い主)に提示し、署名を迫ることになります。私の経験では、裏面約款の各項毎の交渉は行わず、一括して相手に提示することが多いと思っております。従って、先手必勝となりますので、提示は早い方が良い訳ですが、その前に表面約款と裏面約款が食い違わないことを必ず確認してください。 それが済んだら、表面約款のAs Sellerの箇所に署名して送付し、買い主にAs Buyerとして署名の上、至急返送してくれるよう依頼します。その際、投函日が確認できるようREGISTERED AIRMAILにすることと、受取ったら確認のメールを貰うようにしましょう。 1.購買契約書が送られてきたら・・ さて、ここで皆さんは一つの問題に直面することになります。それはこちらが販売契約書を送る前に、買い主から署名済の購買契約書が送られてきたらどうするかという点です。その場合、購買契約書を受取った旨の返事を出す前に、販売契約書を送付することを提案したいと思います。但し、余り返事が遅くなったのでは、商売そのものに影響が出てきましょうから、この場合であっても、予め販売契約書が作成されていることが前提になります。 2.書式の戦い(THE BATTLE OF FORMS) このように契約書がぶつかり合う状況を、一般に、「書式の戦い(THE BATTLE OF FORMS)」と称しており、契約交渉の間、一度は必ずこの局面に遭遇すると思います。その際、どうしたら良いかを考えてみましょう。はっきりしていることは、両者の主張が契約書のドラフトという形で明確に相手方に示されているということです。従って、両者の主張を判り易く対比表にすることをお勧めします。その骨格はその4に示してありますので、参考にしてください。 そして、両者の間に意見の相違が存在する項目について、妥協点を見出すべく交渉し、合意に達したら、即刻議事録にまとめます。そして、できれば、その日の内に、当該議事録を両者が署名することで、合意が後戻りせぬようにすべきでしょう。このようにして、全ての項目の相違点が解消できたら、契約書は完成したことになります。 3.交渉担当者の立場 以上、述べてきましたごとく、交渉担当者に権限が集中していれば、交渉はスムーズに進むでしょう。しかし、交渉担当者の社内での立場はさまざまと思います。そこで、交渉の劈頭、交渉担当者の立場を明確にしておくべきです。例えば、自分はこの点については社内の役員会の承認が必要だとか、業界の上部団体に報告(或いは、承認)が必要だとか、国内法XXにより、政府許可が必要だとか・・交渉担当者にはさまざまな制約があると考えるべきでしょう。 その場合、これらの許可を取るのに余りに時間が掛ったのではまずいので、契約書に署名した後、XX日以内に許可を取得する旨の別途覚書を取り交わすこともよくあります。 次回も、契約の話をもう少し続けたいと思います。では、又。 貿易アドバイザー&安全保障貿易管理士 永野靖夫


初級転職者講座【商社編】その5 約款を振返る

初級転職者講座【商社編】その5 約款を振返る

本講座は中盤に差し掛かってきました。そこで、今回は今までの流れを振返り、その後、交渉戦略を立てていくことにしましょう。 端的に申し上げますと、皆さんは転職先で役に立つ存在であり続ける必要があります。一方、皆さんがお持ちの商品知識は、残念ながら、あっと言う間に古くなってしまうでしょうから、少なくとも、何かもう一つ武器が欲しいところです。 ということで、前回、どの業界でも通じるよう汎用品の例として、“Assorted Canned Foods”を取り上げて、モデル契約書を提示しました。但し、その3にて指摘した買い主、貨物、仕向先国のチェック対象には当て嵌まらず、従って、モデル契約書は政府許可が必要な取引でもありません。これらの対象となる契約の場合は、外為法等の知識が必要となりましょう。 以上を前提として、以下の交渉戦略を推進していくことが望まれます。 1.先手必勝 まず、この契約書であれば、何処から買い主が現れても即刻契約可能といえるものを作成し、全社的なコンセンサスを得ておいてください。この様に準備が整っていれば、買い引合いが来たとき、即刻対応が可能となります。 相手のあることですので、これで買い主がサインしてくれるとは限りませんが、我々のドラフトで交渉を開始できれば、こちらのペースで交渉を進めることが可能となります。即ち、先手必勝ということです。 2.売り主に有利な条文 既にお気付きのごとく、モデル契約書は、以下のごとく、売り主に有利な条文になっています。但し、余りに売り主に有利に規定しますと、買い主の署名が得られませんので、売り主に有利な限度は、以下のごとく、常識の範囲に留めておきました。以下、条項の要旨を述べますので、英文にて、内容を確認していってください。 1)表面約款 ここでの殺し文句は、「不都合な箇所を見付けた場合は、即刻知らせて欲しい。さもないと、これらの条件は、貴社により、明白に受諾されたものとして考えられる。」・・という点です。即ち、受け取ったままにしておくと、受諾したものと見做すと書いておきました。 2)裏面約款 条項ごとに、以下、コメント致します。 ①決済 開設銀行は信用のおける銀行でなければなりません。この点より、我々売り主の承諾を条件としました。 ②増加費用 諸費用が契約締結日以降増加した場合は、買い主負担と規定しました。 ③輸出検査 日本側の検査を最終とする旨、規定しました。 ④工業所有権 輸出貨物が揚げ地で、工業所有権を侵害したとしても、輸出者は揚げ地の事情を知る由もないので、売り主は免責とする旨規定してあります。 ⑤クレーム 買い主のクレーム提起の起源を貨物到着後45日以内としておきました。 ⑥仲裁 仲裁機関は日本商事仲裁協会としました。これにより、揚げ地の見知らぬ仲裁機関を指名されるリスクを回避できると考えます。 このモデル契約書は一つのサンプルに過ぎませんので、皆さんのご事情に合わせて、適宜調整して戴く必要があります。 この続きは、次回で! 注:モデル契約書はこちらを参照してください。(記事「その3」と同様です) http://www.bouekitenbou.com/2286532004263601239812469125311250312523.html このモデル契約書は表面約款と裏面約款から構成されています。和訳も付してありますので、参考にしてください。

初級転職者講座【商社編】その4 モデル契約書を作成する

初級転職者講座【商社編】その4 モデル契約書を作成する

本講座のその1~その3にて、情報を全て文書にすること、輸出契約を前提に、欲しい契約をイメージすること、更に、当該契約のチェックポイント等を述べてきました。 これで契約の大筋は理解できたと思います。次に、皆さんの会社で、今一番売りたい商品であって、かつ、常時在庫のあるものを想定し、この条件ならいつでも販売したいと考える契約書(以下、モデル契約書)の作成しておくべきです(注1)。 モデル契約書に既に記載してある各項目を、下記の資料(対比表)のごとく、輸出者(売り主)の欄に書き移しました。一方、輸入者(買い主)とのメールのやり取り等により、輸入者の欲する価格、ブランド等が判明してきますので、対比表の輸入者(買い主)の欄にそれらを記入していきます。そして、備考欄には、両者の値差を始めとして、各項目の交渉の際の注意事項、(一人で全項目を交渉することが難しい場合は)交渉担当者、更には、交渉の順番等を記入していくと良いでしょう。 このように、対比表にすることによって、交渉全体を客観的に眺め、交渉戦略を立てることが大切です。次回はこの点について、触れてみたいと思います。 注1:モデル契約書はこちらを参照してください。 http://www.bouekitenbou.com/2286532004263601239812469125311250312523.html このモデル契約書は表面約款と裏面約款から構成されています。和訳も付してありますので、参考にしてください。 注2:ホワイト国向けの場合は、輸出規制はありませんが、輸出貿易管理令別表4の国或いは別表3の2の国の場合は厳しい規制が課せられています。「ホワイト国」、「別表4の国」、「別表3の2の国」の詳細は、安全保障貿易管理のホームページ(http://www.meti.go.jp/policy/anpo/)に入り、それぞれキーワードのサイト内検索されると判ります。

初級転職者講座【商社編】その3 輸出を考える

初級転職者講座【商社編】その3 輸出を考える

その2で申し上げた如く、皆さんの契約書のイメージは段々と固まってきたものと思います。一方、皆さんが商社に転職して、まず、求められることは、輸出市場の開拓といえるでしょう。具体的には、どうやって、皆さんの望む契約条件を獲得していくか・・にかかってきましょう。そこで、以下留意点をまとめてみました。なお、話を判り易くするために、貨物の輸出に絞って、話を進めます。 1.買い主をチェックする 皆さんは、既に輸入者(買い主)とメールのやり取りを開始したと仮定しましょう。そうなると、輸入者がどんな会社か調べることになります。まずは、輸入者の英文名にて、Yahoo或いはGoogleで検索してみると、何か情報にヒットするかもしれません。更に、契約の成立がかなりの程度で、予想される段階に来たら、DUN & BRADSTREET等の信用調査会社で信用調書の取得を考えるべきでしょう。 更に、外為法の観点からしますと、輸入者或いは最終需要者の名前が外国ユーザーリストに掲載されていないかどうかをチェックし、掲載されていたら、一定の条件下で輸出許可を申請せねばなりません。なお、同リストは末尾に記載の安全保障貿易管理のホームページで検索するとヒットします。 2.貨物をチェックする 貨物の場合は、外為法の規制を受けます。より正確にいえば、関税法基本通達70-1-1に輸出貨物の他法令が規定されており、その一つが外為法ということです。なお、他法令とは、関税三法(関税法、関税法定率法、関税法暫定措置法)以外の法律であって、輸出者は通関時に税関に対して、許可等を受けている旨、証明しなければならないとされています。そして、外為法の下で、政令である輸出貿易管理令に貨物名が規定され、その下の貨物等省令で当該貨物の仕様が定められていることになります。これらに該当した場合は、原則として輸出許可申請が必要です。 3.仕向先国をチェックする 仕向先国が輸出貿易管理令の別表第3の2の国(国連武器禁輸国・地域:アフガニスタン、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、エリトリア、イラク、レバノン、リビア、北朝鮮、ソマリア及びスーダン)向けの場合は包括許可が適用できず、又、輸出貿易管理令の別表第4の国(懸念3ヵ国:イラン、イラク、北朝鮮)向けの場合は、包括許可及び少額特例が適用できませんので、これらの国々に該当しないかどうかチェックしていってください。   4.政府許可条件の挿入 安全保障に限りませんが、政府許可が必要な貨物の場合には、必ず、“..subject to an export license obtained by Seller from the Japanese Government.”という主旨の文言を挿入してください。さもないと、政府許可が万一取得できなかった場合、買い主から損害賠償責任を追及される恐れが出てくるからです。 参考: 1)判り辛い用語は、安全保障貿易管理のホームページ(http://www.meti.go.jp/policy/anpo/) に入り、キーワード検索してみてください。 2)技術も規制の対象ですが、本稿では省略しました。

初級転職者講座【商社編】その2 文書に始まり文書に終わる(2)

初級転職者講座【商社編】その2 文書に始まり文書に終わる(2)

その1にて、「文書に始まり」とは、まず、あらゆる記録を文書にすること、又、契約当事者間の力関係が五分五分であれば、有利不利はさておいて、少なくとも納得のいく契約条件が得られやすいこと等を申し述べました。では、次に「文書に終わる」に移りますが、商社活動の目的は、契約の締結にあることは言う迄もありません。では、どうこの目的を達成していくかが次の課題となります。 1.どんな契約が欲しいのか この点は、常に皆様の頭の中にあると思いますが、では、どういう条文にしたら良いかとなると、戸惑われるでしょう。何か参考になるものはないかということで、以下、三つ程、アドバイスを差し上げます。 1)展示会で収集する まず、展示会の出展者のブースには契約書のサンプルがある筈です。そこで、それを一部貰えないかと聞いてみてください。出展者は基本的に買い主を捜していますので、余程のことがない限り貰えると思います。そして、その場で目を通し、気が付いたことがあれば、質問してみましょう。懇切丁寧に説明してくれる筈です。 私もこのようにして勉強してきました。なるほどこうやって自社のインタレストを擁護しているかと納得できました。 2)業界のモデル契約書式 古くからある貨物の業界団体であれば、当該業界の事務局の書棚或いは付属の図書室等に業界のモデル契約書式がある場合がありますので、事務局に聞いてみてください。あった場合には、それを入手し使えるものであれば使っていくことをお勧め致します。このモデル書式の背景には、それなりの経緯や理由、場合によっては判例が存在するかもしれません。モデル書式を使えば、それらをこちらの味方に付けることが可能だからです。 3)雛形を基に自分で作成する 市販の書籍には、有り余るほどの契約条文例があります。手前味噌になりますが、私のホームページに輸出と輸入に分けて英文に和訳を添えて、雛形が提示してあります。更に、私の著書「輸出のすすめ方」と「輸入のすすめ方」(いずれも、ジェトロ発行)にも雛形と解説が載せてありますので、ご参照ください。 私は輸出者と輸入者では利害が全く反すると考えていますので、上述のごとく、書き分けてみました。書籍によっては、どちらの立場で契約書を作成しているのかが明白でなく、単にきれいな条文が示されているだけの場合があります。その場合は、それに振り回されることなく、ご自身の主張が入っているか、或いは、主張を入れられるかを念頭に置いて検討していって戴きたいと思います。 2.契約書のイメージ 以上で、契約書のイメージは固まりましたか?それでは、それを買い主(売り主)と交渉して、どうやってご自分の欲する条件を手に入れていくか、次回、お話しすることにしましょう。では、又。 貿易アドバイザー&安全保障貿易管理士 永野靖夫


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